エゴ

エゴはアイデンティティを持ちたがる

エゴはアイデンティティを持ちたがる

エゴは「私」を作り上げようとします。
そのため、私という存在は○○であるというレッテルを貼ります。

エゴは同化したがりますが、これは「アイデンティティを持とうとする」とも言えます。

「私の名前は西川佳宏」
「私は東京都に住んでいる」
「私は男性である」
「私は日本人だ」
「私は40代だ」
「私は心理カウンセラーだ」
「私は内向的な性格だ」
「私は繊細だ」

こんな感じで「私は○○だ」を持ち、自分のアイデンティティを作り上げます。

さらに、エゴは存在価値を高めるために、価値があるものと同化したがります。

エゴはアイデンティティを固定したがる

そして、自分のアイデンティティは当然のものとして疑いません。

「あなたは人間ではありませんよ」と言われても信じません。

「あなたは女性ですよ」と言われても「何を言っているんだ!」と相手をおかしい人だと思うでしょう。

「あなたは外向的な性格ですよ」と言われると絶対に違うとは言い切れませんが「私のことをあまり知らないんだな」と思って適当に流すでしょう。

でも、真実は自分のアイデンティティは絶対的真実ではなく作り上げただけなのです。永遠ではなく、ただそう信じているだけのものです。

アイデンティティは変わるもの

名前だって改名すれば、変わることになります。
性別だって、手術して戸籍を変えれば変わることになります。
国籍だって、変えることができます。
性格だって、一定ではありません。内向的なときも外向的なときも両方あります。

アイデンティティの固定化が苦しみを生む

このアイデンティティ付けはくせ者です。

名前と同化して日常生活で困ることはほとんどありませんが、「私はこういう性格だ」「私はこういう人間だ」というセルフイメージの同化はやっかいです。

ネガティブなアイデンティティに同化すると苦しい

特にネガティブなセルフイメージに同化している人は世界観がしんどいんです。

魅力がないというアイデンティティに同化していたら

たとえば「私は魅力がない人」というセルフイメージに同化しているとしましょう。
それを信じ切っている状態と言えます。

そうすると、私は魅力がないというのが大前提として、世界を見ることになります。

たとえば、誰かと出会ったとき、「この人は私のことを魅力がないと思っているに違いない」と思います。

それが大前提にあるので、「どうせ私のことを魅力がないと思っているんでしょ」「魅力がないからこんな態度取るのね」「魅力がないからバカにするんだ」などと相手の態度を受け取ってしまいます。

実際にはそんなことを思っていなくてもです。

「私は魅力がない」と思っていたら当然振る舞いに自信がありません。消極的、引っ込み思案になるでしょう。恋愛のチャンスもグッと減ってしまいますね。

冷静に考えれば、人は皆、魅力がある面もあれば、魅力がない面もあります。
問題は、魅力がある面にまったく目が行かずに「私は100%魅力がない」と信じていて、極端な妄想に同化して(信じ切っている)いるので、苦しみがなかなかなくなりません。

ポジティブなアイデンティティに同化していたら

では、ポジティブなセルフイメージに同化している場合はどうでしょうか。

一見、健康的で素晴らしく感じます。

たとえば「私は危機を乗り越えられる人」というセルフイメージを持っているとしましょう。

そういう人はリスクを恐れないのでどんどんチャレンジします。
自分に自信があるので、いろんなことに堂々としています。
ピンチに陥ってもあきらめません。あきらめずがんばるから突破口が開けます。

ポジティブなアイデンティティの同化がマイナスに働く場合

でも、このポジティブなセルフイメージがマイナスに働くこともあります。

危機を乗り越えられるからと、過大なリスクに飛び込んでしまう可能性があるのです。
結果、取り返しのつかないことになりかねません。

どんな場面でもポジティブであり続ける価値観などありません。
状況が変われば善悪は逆転します。

同化し続けることが苦しみを生む

同化すること、アイデンティティを持ちたがること、それはいいのです。でもエゴは、それを永遠だと思いたがります。

同化し続けます。しがみつきます。これが苦しみを生むのです。

結果、自然な変化を妨げることになり、人生という現象にも不具合が現れます。

心と体にも不具合が出てきますね。

同化を外すとは?

同化を外すとは、できるだけ事実、真実に近づくことだと感じています。
ネガティブなアイデンティティに同化しているときは、歪んだ妄想の世界をあたかも「事実」かのように感じています。

そこから抜け出し、なるべくニュートラルな状態に戻って、事実・真実を受け止めている状態であれば、歪んだ妄想であるネガティブなアイデンティティから距離を置くことができます。

そういう状態になるためのオススメが気づきのワーク(マインドフルネス)、事実を受け止めたうえでの感情エネルギー解放です。セッションでは後者をやって同化を外しています

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